公開日:2023/06/05
カテゴリー:売る時の知識
【不動産価格は、まだ上がる?】
~その理由と“売却を検討する方への注意点”~
最近、「不動産価格はこれからも上がるんですか?」というご質問をいただくことが増えてきました。
不動産業者によって意見は分かれますが、
私自身の見立てとしては、
「上がる可能性はあるが、慎重な判断が必要」
という立場です。
その理由を今日は、不動産業界の裏側も交えてお話してみたいと思います。
■ 「物件が少ない=価格が上がる」は本当か?
よく耳にするのが、
「物件が少ないから、価格が上がっているんですよ~」
という不動産業者のセリフ。
確かに、数が少ないものは価値が上がる=希少価値という考え方は、どんな商品にも共通する原理です。
ただし、**不動産はもともと“唯一無二の商品”**です。
同じ立地・同じ広さ・同じ築年数の物件は基本的に存在しません。
つまり、価格の上昇にはもう少し複雑な要因が絡んでいるんです。
■ 不動産業者が“高く査定”したがる理由
物件が少ないとどうなるか?
不動産業者の視点では、
媒介契約(売却の依頼)を取りづらくなる
売主の取り合いが起こる
その結果、高額査定合戦になる
という現象が起きます。
売主さんとしては、当然「高く売ってくれる会社にお願いしたい」と思いますから、
査定が高い=安心・信頼と勘違いされやすいのです。
ですが、その高額査定はあくまで「媒介契約を取りたいがための数字」であり、実際に売れる価格ではないことも少なくありません。
■ “売れないけど広告はしたい”という業者の本音
なぜ売れない価格でも物件を預かるのか?
それは、
「新規物件を広告することで、問い合わせが増えるから」
という理由です。
たとえ売れない価格でも、人気エリアや特徴的な物件であれば、
「似たエリアで探してます」という買主からの反響が見込めます。
つまり、売れなくても広告効果はある=営業メリットがあるんですね。
これが、不動産価格が実需を超えて“吊り上がる”構造のひとつです。
■ 価格上昇=買主の気持ちがついてきているとは限らない
特に最近は、ネットで相場を簡単に調べられる時代です。
SUUMO
アットホーム
レインズ・マーケットインフォメーション
など、買主さんも「これは相場より高い」とすぐに判断します。
実際に、西船橋周辺(※駅前除く)では、
高すぎる物件は結局“値下げしなければ売れない”状況になっています。
■ 船橋市内も、2023年秋を境に“転換点”へ
実際、アットホームのマーケットデータによると、
2023年秋ごろから船橋市内の不動産価格も横ばい~やや下落傾向に転じています。
駅チカなど一部エリアではまだ価格が高止まりしていますが、
エリアや立地によっては値下がりの兆しも見え始めているのです。
■ まとめ:売却を考えるなら“情報の見極め”がカギ
✔ 物件が少ない=価格が上がる、は一部正解
✔ 業者の「高額査定」は媒介契約を取るための営業戦略かも?
✔ 実際の成約価格は、ネットで簡単にチェックできる時代
✔ 買主も慎重。価格と価値の“ズレ”には敏感です
不動産価格がまだ上がるかもしれない。
でも、「売れる価格」と「掲示されている価格」は違うことがある――
この点を、ぜひ知っておいていただけたらと思います。
「これから売るなら、どう見極めればいい?」
そんなご相談も、話すだけでも気持ちが明るくなるかもしれませんよ (^O^)
西船橋周辺の不動産売却は、「いい家見つかる不動産屋さん」まで、お気軽にどうぞ。